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仮面城(日文版)-第38章

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くりなのだ。目もと、口もと、そして髪の毛をひたいにたらしているところまで、すこし年さえ若くすればゆうべ見た道之助、いやいやきょう新聞にのっている道之助の写真にそっくりなのだ。
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 と、うしろから声をかけられて、ハッとふりむいてみると、そこにはまっ青な顔をした父の宗像博士が立っている。
「あら、おとうさま」
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「おとうさま、このお写真のかたはどういうひとですの。あたしなんだか、気になってならないの」
 とたずねてみた。博士はそういう美罚ё婴晤喩颏袱盲纫姢胜椤
「ああ、それじゃおまえ、けさの新聞を見たのだね」
「ええ、そうよ。ほら、ここに道之助というひとの写真が出ているでしょう。このひとと、その写真とはそっくりだわ。ねえ、おとうさま、その写真はどういうひとなの?」
 問いつめられた博士は、なんとなく心ぐるしいおももちだったが、
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「まあ、栗生――ですって? それじゃ、その道之助というひととやっぱりなにか関係があるのね」
「そうだよ。美罚ё印⒌乐蠌卦栅趣いΔ窑趣蜗⒆婴摔沥い胜い韦馈6膜膜韦趣摔妞ú幻鳏摔胜盲皮汀¥饯欷扦趣Δ丹螭祥Lい間、道之助のゆくえをさがしていたのだが、もういけない。美罚ё印ⅳ沥绀盲趣长欷颏搐椁蟆
 博士は顔色を暗くかげらせながら、机のひきだしから古い手帳をとり出したが、やがてパラパラとペ袱颏幛盲泼婪'子の前へさしだした。美罚ё婴悉栅筏饯Δ摔饯违讴‘ジをのぞきこんだが、とたんにまっ青にならずにはいられなかった。
 ああ、なんということだ。そこには赤んぼうくらいの小さい指紋が押してあったが、その指紋というのが、まぎれもなくどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋!
「まあ、それじゃやっぱり……おとうさま!」
「そうなのだ。道之助が生まれたときにね、あまりきみょうな指紋だから、おとうさんはこうしてとっておいたのだ。ところが、それから間もなく、道之助はゆくえがわからなくなったのだ」
「でも、おとうさま。おとうさまはこの徹哉というひとと、どんな関係があるんですの」
「いや、そればかりは聞いてくれるな。おとうさんはこの徹哉という男に、すまないことをしているのだ。それでなんとかして、せめてその子の道之助でもさがし出して、むかしの罪ほろぼしをしたいと思っていたのだが、もうだめだ。道之助は世にも恐ろしい悪党になっているのだ」
 博士はそういうと目に涙さえうかべて、
「わしはあのどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋のうわさを聞いたとき、すぐにこれは道之助だとさとったのだよ。なぜといって、こんなきみょうな指紋を持っている人間が、世界にふたりとあるはずがないからね。それ以来、わしがどのように苦しんだか……もしあの子がまともな人間に育っていたら……」
「しかしおとうさま、おとうさまはこの徹哉というひとにどんなことをなさいましたの。ねえ、おかくしになっちゃいや。あたしは、なにもかも知りたいの。話してちょうだい。どんなことを聞いてもおどろきゃしないから……」
「美罚ё樱 
 宗像博士は娘の手をとると、ハラハラと涙をこぼしながら、
「それじゃ話すがね、おとうさんはいけない男だったのだ。おとうさんは、その栗生徹哉という男の財産を横取りしたのだよ」
「な、なんですって」
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「むろん、はじめからそのつもりじゃなかったのだが、結果においてそうなったのだ。美罚ё印ⅳ蓼⒙劋い皮臁
 そこで宗像博士が話したのは、つぎのようなざんげ[#「ざんげ」に傍点]話だ。

 栗生徹哉と宗像博士とはそのむかし、親友だった。この栗生という男は金持ちのお坊ちゃんだったが、親類というものがひとりもなく、それで財産の管理などもいっさい、宗像博士にまかせていた。
 そのうちにかれはおくさんをもらって子どもが生まれた。それがつまり道之助なのである。ところがこの道之助が二つになったとき、栗生は結核で死んだのだが、その死の間ぎわに、あとのことを宗像博士にたのんでいった。むろん博士は親友の遺言を守るつもりだったが、ただこまったことには道之助の母というのが、とてもたちのわるい女で、うかつに財産など渡せないのである。
 そこで宗像博士は、道之助が大きくなるまで財産を保管していようと思い、ことばをあいまいににごして、母親のいうことを取りあげずにおいた。すると相手は、てっきり博士が財産を自分のものにするつもりだろうと早がてんして、この復しゅうはかならずするからおぼえていろと、ものすごいおどしもんくを残して、それから間もなく子どもとともに、すがたをくらましてしまったのである。なにしろその女は、まだ正式に栗生の妻になっていなかったので、法律であらそうわけにもいかなかったのだ。
 宗像博士はむろん後悔した。母親は母親として、子どもは栗生の子にちがいないのだから、なんとかしてさがし出して財産を渡してやりたいとあらゆる手をつくしさがしたがまるでゆくえがわからない。そのうちに、道之助の母親が死んだということだけは、風のたよりにわかったが、子どもはひとの手からひとの手へと渡っていって、ついきょうの日までゆくえがわからなかったのである。
「おとうさんは決して、はじめからそんな悪いことをたくらんだわけじゃない。しかし結果から見ると、いままで道之助の財産を自分のものにしていたことになる。おとうさんはそれをどんなに苦にしていたろう。だからいっこくも早く道之助をさがしだして、むかしの罪ほろぼしに、あとつぎにして財産をゆずりたいと思っていたのだが、もういけない。だめだ。道之助は世にも恐ろしいどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗なのだ」

     鳴りやむ歌時計

 はじめて聞く父の秘密に、美罚ё婴悉嗓螭胜摔嗓恧い郡恧Α
 ――ああ気のどくなおとうさま。おとうさまが悪いのじゃないわ。みんなその母親というひとが悪いのだわ。
 と、そう思うしたから、また道之助のことを考えると、ゾッとするような恐ろしさがこみあげてくる。
 ――もしおとうさまがそのとき、すなおに財産を渡しておいたら、あのひとも恐ろしいどろぼうなどにならずにすんだかも知れない。世のなかには、しんせつでしたことでも、思いがけない悪いことをひき起こすこともある。もし道之助がそれを知ったら、どんなに父をうらむだろう。
 それを考えると美罚ё婴悉胜螭趣猡いà翰话菠摔胜搿¥栅筏蔬命のいたずらに、彼女はその日いちにち泣き暮らしたが、さて、その夜のこと――。
 泣きぬれて寝入っていた美罚ё婴稀⒄嬉怪肖搐韷簸韦胜恰ⅳ郡坤胜椁瘫Qを聞いたような気がして、ハッと目がさめた。
「あら、あれ、なんの声だったかしら?」
 胸をドキドキさせながら、じっと聞き耳をたてていると、どこかでかすかなオルゴ毪我簸工搿%毳穿‘ルは雨だれの音のように『蛍の光』のメロディ颍唷钉省筏扦皮い搿C婪'子はハッとして枕もとの時計を見ると、ちょうど三時だ。
「まあ、それじゃおとうさま、今夜もお仕事かしら?」
 美罚ё婴悉猡铯菏驻颏筏菠俊
 宗像博士はよく真
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